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「なら、良いんですけど。
それで、今日一緒に夕飯でも食べに行きませんか?」
「あ、う、うん!もちろんだよ!」
わー!夜ご飯の時まで一緒に居られるんだ!嬉しいなぁ!
「…良かった。
どこに食べに行きます?何か食べたい物はありますか?」
彰弥くんが嬉しそうに笑ってくれるから、私も笑う。
「彰弥くんの食べたい物でいいよ。私は、いつでも食べに行ける状況なんだし、彰弥くんが久しぶりに食べたい物にしよう」
よし!胃袋だ!
胃袋で彰弥くんの心を掴む!
って言っても、私が作るわけでもないんだけどね。
「んー、悩みますねぇ。久しぶりに食べたい物かぁ。
とりあえず、夕飯までに考えておきますよ」
彰弥くんがそう言って、私の左手をギュッと握ってきた。
いつの間にか、両腕にぶら下げていた荷物は、片腕で持っている。
あ、ぁ、ああぁああ。久しぶりに彰弥くんの手があぁ…。
だ、駄目だ!これでドキドキしてたら、心臓が持たない!
でも久しぶり過ぎてニヤケそうだし、涙出そうだしで…顔がはちゃめちゃになってるよ、きっと。
何か別のこと考えねば。
何か何か。何かないか。何かないか。
あ、そうだ!
お母さんに今日夜ご飯いらないってメールいれないと。
携帯!携帯出したいな!
でも手離したくないな。
あれ?携帯?
そういえば、携帯って……。
「ああぁああぁあ!!」
「!!?」
家に忘れてきた!
そして私が奇声を発したせいで、ビックリした彰弥くんに手を離された…!
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