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うぅ…手離されちゃったよ…。
それに携帯も家に置いてきちゃった…。
「…大丈夫ですか?」
彰弥くんが奇声を発した私を心配そうに見つめてくる。
「携帯を家に忘れてきてしまったのだよ、あはは……」
あー、自分って必ず何か忘れる癖がついてるんじゃないか…?
「でしたら、俺の家に行く前に先に蓮華の家に行きましょうか。
蓮華のご家族にお土産も買ってきたので、それもお渡ししたいですし」
「お、お土産!?
いいよ、そういうの。
別にそんな気遣わなくても」
「俺が買ってきたくて買ってきたまでです。気にしないで下さい」
笑顔でサラリと述べた彰弥くん。
なんて出来た男なんだ…。
こんな人が自分の彼氏だと思うと、自分を疑いたくなるよ。
なんで私はこんなのなのに、彰弥くんみたいな人と付き合えているんだろうか。
始めて会った人に見られたら間違いなく思われるだろう。
「ありがとう、彰弥くん」
「いいえ」
にっこり爽やかな笑みを浮かべた彰弥くんは、タクシーを片手で止め、乗り込む。
普通の人間がやる仕草でも彰弥くんがやることによって、8割増し格好良く見える!
なんか彰弥くん、更に大人っぽく見える。
なんで!?
なんか、すごい……格好良くて大好きなんだけど…。
取り残された気分…。
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