*+。知らない感情。+*

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それから数十分。 タクシーに乗った私達は、私の家のまでタクシーを降りた。 「久しぶりですね、蓮華の家」 彰弥くんが私の隣りに立ち、嬉しそうに言うから「うん」と私も明るく応える。 「久しぶりに、どうぞどうぞ。ゆっくりして下さいな」 久しぶりに親戚に会ったおばさんみたいなことを言いながら、私は自分の家に彰弥くんを招いた。 「お邪魔します」 ああっ!彰弥くんが玄関のドア前で頭を下げながらそう言う仕草まで格好良い! というより、可愛い!! 「中は、やはり変わってないですね」 リビングに招くと、彰弥くんはまた嬉しそうに笑う。 思い出を振り返っているのか、やけに楽しそうだ。 「お母さん仕事に行ってるみたい」 家中のあちこちを見渡したが、やはりお母さんはいない。 家に入る時も鍵がかかっていたから当たり前か。 「では、お土産はテーブルの上に置いときますね。蓮華、携帯は?」 「あ、うん。今取ってくるよ」 2階に上がり、自分の部屋にすぐさま入り、携帯を見つけたらすぐに部屋を出た。 そしてリビングにいる彰弥くんの方へ駆け寄る。 「携帯あったよ!ごめんね、待たせちゃって」 「いえ、逆に驚きました。2階に行って、携帯見つけて、ここまで降りてくるのがおよそ20秒で出来るなんて」 「あはは、まぁね。私くらいになったら、こんなの朝飯前だよ」 なんて変な自慢を彰弥くんにして見たが、実際顔には出してないが動悸が激しい。 この歳になって、この動きだけでこんなに疲れるのか。  
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