2795人が本棚に入れています
本棚に追加
彰弥くんのお家に入ると、やはりズラーッと並ぶ執事さんとメイドさん。
久しぶりの感覚に、私はまた1人1人にお辞儀をしてしまう。
「お邪魔します。
えー…と、お世話になってます。
二階堂蓮華と申します。
お邪魔します」
「蓮華、きりがありませんよ」
彰弥くんの苦笑いした声が聞こえた。
「そうだね。でも何か私もお辞儀しないと変な気がして…」
一方的に頭を下げられるとソワソワしてしまう。
自分も頭を下げないとっていう使命感に襲われる。
「…分かりました。
蓮華は本当に礼儀正しいですね」
私の頭をポンと撫でた彰弥くんが、メイドさんや執事さんの方に目を向けた。
「皆さん、気にせずご自分の仕事に戻って下さい。迎えがなくても、構いませんので」
彰弥くんがそう言うと執事さんやメイドさんたちが一礼して、スタスタと何処かに行ってしまった。
「…あー、良かった。ありがとう彰弥くん」
これで1人1人にお辞儀をしなくて済む。
もう正直、この歳になると腰が崩壊しそうなんだ。
フーッと息を吐き、ひたすら彰弥くんの後を着いていった。
そして、ある部屋で足が止まり、彰弥くんが扉を開く。
「どうぞ」
柔らかい笑顔で促してくれた彰弥くんに、何故か一礼し、中に入った。
「…わぁ」
久しぶりだ。
ホントのホントに…久しぶり。
彰弥くんの部屋だ。
最初のコメントを投稿しよう!