*+。会いたい。+*

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彰弥くんと離ればなれになって、分かったことがある。 自分が思っているより、彰弥くんを依存し過ぎていたということ。 彰弥くんを見ないと、落ち着かないっていうこと。 その他、諸々。 後は考えると沢山出てきちゃうから、忘れるということにしよう。 私はというと、あれから学校を卒業して、2年が経った。 今は、病院の売店で働いている。 何だかんだ言って、2年も働くと、少し心に余裕が出来ないこともない。 どっちだよ、と思われると思うけど、心に余裕が出来そうな時に限ってミスをするから、余裕なんて持てないのだ。 今は、店の在庫整理中。 賞味期限切れはっと…。 「れーんげっ!」 「わわっ!由衣か!ビックリしたー」 後ろからいきなり背中を押され、振り向くと私の1コ下の田村 由衣(たむら ゆい)がいた。 「ねえねえー、来週の火曜日さ~、合コン行こーよ!」 「合コン?なんで?」 「だって、出会いがないんだも~ん。 蓮華ちゃんも暇でしょ?一緒に行こー!」 由衣は、1コ下のわりに遠慮がない。 高校の友達感覚で私に話しかけてくるから、結構厄介な子だ。 「ダメだよ。私、付き合ってる人いるもん」 一度言って見たかった言葉。 初めて言えた…! 心の中で喜びながら拳を握っていると、由衣から心に突き刺さる言葉を頂いた。 「付き合ってるって言ったって、高校卒業してから会ってないんでしょ~?」 う゛ぅ…。 そう、由衣の言う通り。 私が高校卒業してから、春休みに一回会ったっきりで…それから…まったく会っていない。  
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