*+。知らない感情。+*

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くああぁ、かわいいっ! メイドさんっていうのは、こうも柔らかいのか! そして、こんなに良い匂いなのか! 抱きつかれた瞬間、頭の中がそれでいっぱいになった。 「蓮華様? …あ、すみません。久しぶりにお会い出来たことが嬉しくて…つい」 顔を朱に染め、慌てて離れる真由奈さん。 か、可愛い! 可愛い人って何をやっても可愛いんだなぁ。 「あ、私こそごめんなさい。久しぶりに真由奈さんに会えて、嬉しくて固まってしまいました」 あはは、と笑うと真由奈さんは瞳を細めて安心したように笑う。 「そういえば、侑弥くんとはどうですか?」 「へ?え!?い、いえ…っ!そんな、どうと言われましても…!まったく変わらないままです…!」 真由奈さん、顔真っ赤だ。 かわいいー! 「侑弥様には、最近会えない状況が続いてまして…」 真由奈さんは、そう言うと悲しそうに眉を八の字にした。 何かあったのかな…? 「…喧嘩でもしたんですか?」 「いいえ、私が侑弥様の衣類をちょっと……燃やしてしまい…」 ええぇ!? 燃やすって何!? 一体何をしたら、そこに行き着いたの!? 話を聞きたい気持ちに駆られたけど、今は彰弥くん待ちだ。 やっと会えたのに、真由奈さんの話を聞いたら、長引きそうな気がする。 聞きたいのは山の山の山々だけど…ここは…諦めよう。 「ま、真由奈さ…」 とりあえず、いまだにドアを開けたまま話したままだ。 彰弥くんが戻って来る前に…。 「あれ、真由奈も居たんですね」 「…って、わああぁ!!!」 真由奈さんの真後ろにトレイにカップ2コとお菓子を乗せている彰弥くんが。 真由奈さん、怒られないよね。 「あ、あの彰弥くん。今ね、真由奈さんにお話を聞いてて、でも今終わったか…」 「そうでしたか。なら、真由奈も中にどうぞ」 普段なら、真由奈さんをすぐさま追い出そうとオーラを放つ彰弥くんが…今日は部屋に招いた。 へ?え? あれ?  
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