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「どうぞ座って下さい。ずっと立っていると疲れるでしょう?」
「う、うん」
この自然な感じ。私が気にしすぎなだけなのかなぁ…。
遠慮がちにソファに座ると、彰弥くんがスッと私の横に座る。
ちょっと……緊張してしまうではないか。
「…………」
「…………」
「…………」
た、頼む!何か喋ってくれ!!彰弥くん!何か!!なんでもいいから!
チラッと彰弥くんを見ると、遠くを見ている表情。
くっ…、彰弥くんから喋る雰囲気は無さそうだ。
仕方ない。私から、何か…何かないか。何かないか。何か。
ここの場面で何回「何か」を使ったんだろう。
暇があったら数えてみよう。
ってそんな場合じゃなくて、何か彰弥くんと盛り上がれる話を…!
「彰弥くん…!!」
「何ですか?」
「マ、マジカルバナナしない!?」
「いきなり懐かしい遊びが出てきましたね」
「じゃあ、けん玉でも!あ!カルタとかどうかな!?メンコは!?」
「どうかな…と言われましても。
今、純粋に蓮華の生年月日を疑いました」
彰弥くんはそう言いながら、ふふっと笑う。
あ、いつもの彰弥くんらしい!
戻ってきたかも!
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