*+。知らない感情。+*

10/39
前へ
/430ページ
次へ
「どうぞ座って下さい。ずっと立っていると疲れるでしょう?」 「う、うん」 この自然な感じ。私が気にしすぎなだけなのかなぁ…。 遠慮がちにソファに座ると、彰弥くんがスッと私の横に座る。 ちょっと……緊張してしまうではないか。 「…………」 「…………」 「…………」 た、頼む!何か喋ってくれ!!彰弥くん!何か!!なんでもいいから! チラッと彰弥くんを見ると、遠くを見ている表情。 くっ…、彰弥くんから喋る雰囲気は無さそうだ。 仕方ない。私から、何か…何かないか。何かないか。何か。 ここの場面で何回「何か」を使ったんだろう。 暇があったら数えてみよう。 ってそんな場合じゃなくて、何か彰弥くんと盛り上がれる話を…! 「彰弥くん…!!」 「何ですか?」 「マ、マジカルバナナしない!?」 「いきなり懐かしい遊びが出てきましたね」 「じゃあ、けん玉でも!あ!カルタとかどうかな!?メンコは!?」 「どうかな…と言われましても。 今、純粋に蓮華の生年月日を疑いました」 彰弥くんはそう言いながら、ふふっと笑う。 あ、いつもの彰弥くんらしい! 戻ってきたかも!  
/430ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2795人が本棚に入れています
本棚に追加