*+。知らない感情。+*

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…それにギューッてしたいって、私こんな子じゃなかったよ! こんなやましいことを頭の中にすぐ浮かべる子じゃなかった! どうしよう…!なんか私厭らしい人間だ! ギューッてしたいとか、私らしくない! ああ…!ど、どうしよう! 心臓が思いっきり私の身体をノックしている。 自分が言ったことに鳥肌が立つ。 ああ、駄目だ。 訂正しよう。私らしくもない…。 「…ご、ごめん!やっぱり今言ったことは………っ!?」 その先は、声が出なかった。 彰弥くんが私の身体を引っ張って、ギューッと…私がしたかったことを私にしてきたのだから。 し、心臓の音が尋常じゃない…! どくどく…血が身体全体に巡ってるみたいだ!いや、通常巡っているのだけれど! 彰弥くんにも……聞こえてるのかな…? 必然的に力の流れによって、彰弥くんの肩に顔をうずめていたけど、力に対抗して顔を上げた。 彰弥くんの顔が間近にあって、私の心臓が更に高鳴る。 彰弥くんとバチッと目が合うと、彼は優しく笑う。 「……蓮華」 そして徐々に顔を近付け……って、えぇえぇぇ!!! む、無理!無理だ! これは正しく…キ、キスする流れだよね? 無理無理! だって、ドキドキしすぎて私なんか鼻息荒くなっちゃってるよ! 恥ずかしいよ…。 ああああぁ!!駄目だ駄目だ!! 「……あ!」 すんでのところで、私は大きな声を上げた。 「…?」 彰弥くんは困ったように首を傾げている。 拳一個分の距離に戸惑うけど、何とか阻止した。 ふー……落ち着け。 鼻息荒すぎだよ、私。  
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