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よしっ!何とかキスを阻止できた…!
心の中でガッツポーズをする。
いや、キス自体は全然イヤじゃないんだけで、思った以上に自分が興奮してしまったことが……ちょっと。
あ!!
何か次に言葉を発しないと…!
彰弥くんに怪しまれる…。
「あーと、あー…お母さんにメール送らないと」
携帯をガサガサとバッグから取り出し、周りのみんなはもうスマートフォンというタッチパネル式の流行っているものに切り替えているのに、私はマダガスカル?ガラスパコス?……確かそんな感じの名前、そのような携帯を使っていた。
この方がボタンがあって押しやすいんだ!文句あるか!
なんて、必死に今の現状を忘れようと頭の中でそんなことを考えながら、携帯を開いた。
彰弥くんをチラッと見ると、一瞬キョトンとした顔をしたけど、「そうですね。忘れないうちに、どうぞ」と笑って言ってくれた。
そう言ってくれるのは有り難い。
非常に有り難いんだけど…!!
「ち、近くないかな?」
携帯の画面が彰弥くんに思いっきり見えているくらい距離が近い。
「そうですか?向こうにいると、やはり皆さんこの距離で会話をするので日本の距離感が分からなくなってしまいました」
なんて爽やか笑顔で言われても困ります!!
離れてー…!!
また、私鼻息荒くなったらどうするのー!?
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