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「どうして、この距離を嫌がるんです?俺に見られたら嫌なものでも映っているんですか?」
彰弥くんが笑顔でそう言うから、私は慌てて首を振った。
笑顔が怖い…!
「そんなんじゃありませんよ…!」
あ、何故か敬語になってしまった。
「そうですか。なら、構わないでしょう?」
「う、うん」
なんか上手く丸め込まれた気がするけど、本当に見られてマズいものはない。
私は携帯のメール機能のところを押す。
そうすると、受信ボックスにメールが来てるのが分かった。
「あ、メールが来てる」
そう言葉を出し、何の躊躇いもなく、そのメールを開いた。
葉子かな?それか、椿?
空港に行く前、慌てて彰弥くんからのメール見たけど、もう一通のメールは見てないからなぁ。
チラリと彰弥くんを見ると、笑みを浮かべてこちらを見ている。
そして完全に近いこの距離は、私の携帯のディスプレイが見える距離だ。
メールが開いた瞬間、ちょっと彰弥くんの方を見れなくなった。
【お疲れ様、久しぶり。
先に言わせてもらうけど、この前のカフェで奢ったんだから、文句言うなよ。
次はお前が奢る番だからな。
関谷がまたお前に会いたいって言うから、会って。
それで俺には、ピザ奢れ。美味いランチの店見つけたから。
日程はまたメールする。
じゃ、宜しくな。】
も、望月さんからだ…!!!
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