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「…ふ…蓮華…」
「ふは…っ!
はあ…はっ……彰弥く…」
ああ…ようやく離れた…。
私、結局…鼻息を最後まで我慢できたよ…。
鼻息荒くする寸前で、彰弥くんが離れてくれて良かった…。
フンフンしてたら、さすがの私も恥ずかしいしね。
ホッと息を吐いたのと同時に、彰弥くんに肩をガシッと掴まれた。
え?もう鼻息我慢するの無理だよ……。
眉を八の字にして彰弥くんを見ると、彰弥くんは切羽詰まったような顔をしている。
「彰弥くん……大丈夫?」
私がそう聞くと、彰弥くんは「…ません」と何か呟いた。
「え…?」
よく聞き取れなくて、もう一度聞き返すと…小さな声で。
「すみません。つい我慢出来なくなってしまいまして…蓮華に辛い思いを」
「え…?そんな気にしなくていいよ。確かに辛かったけど」
鼻息を我慢するのが。
「…そうですよね。急に無理矢理してしまうなんて……俺は何を考えていたのでしょう…」
彰弥くんは肩をガクッと落とし、落ち込んだように見える。
あまり見ない姿に、ちょっとキュンときてしまうがな…。
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