*+。知らない感情。+*

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「そういえば、さっきの彰弥くんの顔、すごい困ってたよね」 「俺も辛かったんですよ」 「例えるなら、バスに乗ったのはいいが、お腹が痛くなってトイレに行きたくて堪らないっていう顔してたよ」 「そういう例えは、人を不愉快にするのであまり使わない方が良いかと思います」 彰弥くんが素晴らしいほどの笑顔でそう言う。 「あはは」 とりあえず、彰弥くんのその冷ややかな笑みを回避しようと、私も笑ってみせた。 「…さて、何かさっき言い掛けてましたが、何かお話がありましたか?」 「…あ、うん! これ彰弥くんに渡したくて…」 ようやく渡せる時がきた! ウキウキとしながら袋から、手作りクッキーと百羽鶴を出した。 「…おお」 彰弥くんの感想は、経った一言で終わった。 「…ど、どうかな?」 あまり深いダメージを受けないように、自分から突っ込んでいって、反応を窺ってみた。 「可愛らしいですね」 百羽鶴を見ながら、彰弥くんは柔らかく笑う。 あ、何か喜んでくれたかも。 私も口が綻ぶ。 「これを見てると、癒されますね」 おっ!私の願いが叶った。 「良かったぁ。彰弥くんが百羽鶴を見て癒されますように、って願いながら作ったんだよ」  
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