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「そんなに?涙目になるほど変な味?」
少しだけ袋の中に入っている欠片を取って、口に入れてみた。
「……っ~~!!!?」
うおぉおおぉぉ!!
なんか不可解な味…!
一言で言い表すと
く、クソまずい!!
なかなか味を受け入れられず、飲み込めなかった。
首をぶんぶんと振りながら、彰弥くんに『これはいけない物だね』というのをアピールした。
ようやく涙が出るのを抑えながら、飲み込み、「……うぇ」と息を漏らす。
「……少し一般人には理解しがたい味ですよね…」
彰弥くんは力なく笑い、クッキーの袋の中に手を入れ、クッキーを摘む。
「そ……そうだね。
これは少し…いや、かなり無理な話だね…って、何してるの!!?」
出かけた涙を拭いながら、彰弥くんを見ると、摘んだクッキーを己の口の中に入れていた。
ように見える。
いや、入れたように見えた後、口がモゴモゴ動いてる。
入れたんだ。
「だ、駄目だよ!
出そうよ!!こんなの食べられないよ!」
自分でこんなの…とか言って、ちょっと傷付いた。
彰弥くんはひたすらモゴモゴしながら
「いいんです。蓮華が…せっかく作ってくれたんですから食べます」
クソまずいクッキーを食べながら、笑った。
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