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と思ったら、また道に迷ったー!!
嘘でしょー!
なんでこんなすぐ迷う建物なの!?
「………何度この建物に苦しめられるんだろう」
深い溜め息を吐いて歩いていると、これまた遠くに人の存在が……。
仕方ない!もう一度人に聞こう!
「すみませーん!」
大きな声で呼びかけた。
だけど、向こうには全然聞こえてないみたいで、一切反応なし。
く、くうぅ!!大きな声で話しかけてるのに気付かれないのが一番辛い!
「すみませーん!!」
今度はドスドスと走って近付きながら叫んだ。
ようやく1メートルまで近付いたら、やっと振り向いてくれた。
振り向いた人は、スラッと背が高い黒髪の男の人だった。
色白で、目の下にホクロがある。中性的な顔立ちの人だなぁ。
「…はい?」
「あ、あのすみません。し、彰弥くんのお部屋って、どちらか分かりますか?
ここ広くて分からなくて…あはは」
とりあえずどんな時でも気まずい時は笑っておこう精神で笑ってみせると、男の人は「あー…、あちらです」とどうでも良さそうに果てしなく遠い廊下の奥を指差した。
って、分からないいぃ!!
果てしなく遠い道のりすぎて分からないいぃ!!
どこで曲がっていいのかも分からないよ!
「…あ、あの……もう少し具体的にお願いします」
「…え?」
え?これでも分からないの?みたいな顔しないでよ!
分かるわけないじゃないか!
逆に今ので分かったら奇跡だよ!
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