*+。タイミング。+*

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彰弥くんの部屋が見つかったのはいいけど、どう入っていいのか分からない。 勝手にクソまずいクッキーを彰弥くんから奪い取り、部屋を飛び出して侑弥くんを追いかけるという暴挙に出てしまった。 それで、用が済んだから「ただいまー」なんて言って、彰弥くんの部屋にフランクに入る勇気は私にはない。 さて、どうしたものか。 彰弥くんの部屋の前を右往左往してみる。 どう入るのが一番いいのかな? まったく分からない! 気付いてくれるまで待つ? いや、そんなの日が暮れるよね。 もう覚悟を決めて、普通に入ってしまおうか。 それが一番良いかもしれない。 それで素直に謝ったら、彰弥くんも分かってくれるはず。 右往左往するのをやめて、彰弥くんの部屋の前に立った。 震える右腕を上げ、扉にノックをした。 「…いっいたぁっ…!」 否、しようとした。 「ああ、蓮華居たんですか。すみません、気が付きませんでした」 目の前には、扉の隙間から顔を覗かせている冷静な彰弥くん。 そして、彰弥くんの目の前には、半歩下がって、おでこを抑えている私。 「……っつ…」 痛い……。 そうだ。ノックしようとした瞬間、扉が開いて、おでこが激突してしまったのだよ。 涙目の私を見下ろす彰弥くんは、やっぱり怒ってるのか冷たく感じた。  
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