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「……!
だ、だから、私も義貴先輩みたいにしようと思った…んだけど…」
彰弥くんの視線が耐えきれず、最後の方はゴニョゴニョと口ごもってしまった。
「…蓮華」
呆れたような声。
どうしよう……。
「う…ごめ…」
「今度という今度は許せません。貴方は食べ物に釣られすぎです。
義貴先輩や侑弥、それに先程のメールの男性の方、食べ物で蓮華と繋がってるように思えるのですが」
「そんなことないよ!」
彰弥くんの言葉に、私は思いっきり首を振った。
そんなことない。
そんなことないはずだ。
私が他の男の人と会話した時のことを思い出してみた。
義貴先輩は、たまにケーキを買ってきてくれて。
侑弥くんと会った時は、美味しいお店を紹介してもらったりしてた。
望月さんと会った時は、カフェでお話を聞いてもらって、結局奢ってもらってしまったんだっけ。
………そんなことあった。
ハッとして、彰弥くんに弁解の言葉を出した。
「ご、ごめんね彰弥くん!!でも私は、彰弥くんがくれるお菓子が一番好きだよ!」
「あまり心から喜べないのですが」
彰弥くんは不服そうな表情をしている。
せっかく久しぶりに会えたっていうのに、彰弥くんとすぐさま悪い雰囲気になってしまった。
この状況……、誰かどうにかして…。
ちょっと泣きそうだよ…。
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