*+。会いたい。+*

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遠目から見ると……ふっ、彰弥くんよりイケメンはやっぱりいないな。 なんて、上から目線で勝ち誇ったように男性陣を見てしまった。 こちらに来た1人の男性は、とても人の良さそうな笑顔を浮かべている。 「田村、久しぶり。今日はごめんな。無理に頼んじゃって」 由衣に親しそうに話しかける男性は、この3人の中で一番話しかけやすそうなオーラを放っている。 爽やかな短髪で、綺麗な明るい茶髪。 サマーが似合う男といった感じだろうか。 目元には、泣きボクロがあり、大人の雰囲気の中に子供っぽさがあるような見た目だ。 「う、ううん。いいの」 由衣が大人しく首を左右に振る。 あれ…?いつもより大人しくない? 何だか、由衣のほっぺが赤く見える…。 もしかして…由衣…。 「ありがとう。そう言ってもらえると助かるよ。じゃあ、みんな揃ったし、入ろっか」 うわー、爽やかー。 よく分からないけど、このお兄さんの周りにレモンが飛んでそうな爽やかさだ。 私たちは、爽やかお兄さんの後について行くように中に入った。 席順は、どうなるんだろう? 緊張しながら中に入ると、爽やかお兄さんが率先して、席を決めてくれている。 「女の子達は、こっちね。俺達、こっち」 爽やかお兄さんのおかげで、ここまでスムーズに事を進めることができた。 私が真ん中にドーンと座ってしまい、右には由衣、左には前川さんが座っている。 由衣の前には爽やかお兄さん。 私の前にはスポーツやってそうなお兄さん。 前川さんの前にはクールで如何にも無口そうなお兄さん。 なんか……みんな対照的な人達だなぁ。 私が店の中をぶんぶんと忙しなく見渡したりしてる中、みんなで飲み物が決められ、店員さんが飲み物を人数分持ってきてくれた。 みんな、グラスやジョッキを片手に無言になる。 き、気まずい……。 沈黙の中、爽やかお兄さんが口を開いた。 「自己紹介しよう」  
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