*+。タイミング。+*

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「何を言ってるんです?先程いいって言ったじゃないですか。それで伝わるんならいいって」 「言ったけども! そんなハードルが高いこと出来ないよ!もっと…こう…自然に出来ることがいいなぁ」 自分から言ったくせに、注文つけるのは申し訳ないけど、絶対に出来ない。 私は頑なに首を振った。 「…ふぅ」 そんな私を見て、彰弥くんが浅く溜め息を吐いた音が聞こえた。 ど、どうしよう。彰弥くんに嫌な思いをさせている私が、何をするのか選ぶ権限なんてないんじゃないか…? って、考える前から分かりきってるでしょ。私に選ぶ権限はないよ。 こうなったら、覚悟を決めて……っ。 いや、でもちょっと怖い…というか緊張しすぎて、絶対何かやらかしそう。 でも、やるって決めないと…! 「し、彰弥くん…!」 意を決して彰弥くんに顔を近付けようとした。 「仕方ないですね。キスが駄目でしたら、こちらだったらいいって言ってくれますか?」 彰弥くんがパッと私の目の前に何か紙を出した。 「…? これは…?」 彰弥くんが持っている紙に書かれていることを読もうと、顔を更に近付けると、紙はすぐに遠ざけられる。 「いいって言ってくれたら、見せてさしあげます」 彰弥くんは、嫌なくらいいつもの爽やかな笑みだった。  
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