*+。タイミング。+*

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「…はい、すみません。 霧山さんもすみません」 関谷さんは悲しそうにペコッと彰弥くんに頭を下げた。 あーあ…望月さんももう少しナチュラルに言ってあげればいいのに。 すると、 「引きませんよ。趣味を人に話すのは楽しいですよね」 彰弥くんが、関谷さんにニッコリと笑いかけた。 関谷さんは嬉しそうに笑い、「はい!そうなんです!」と瞳をキラキラと再び輝かせた。 「やっぱり雪野王司くんにそっくりです!物腰が柔らかで優しくて…王子様みたいな人なんですよ」 「あ…そうなんですか。そこまで言って頂けると…照れますね」 彰弥くんが少し頬を朱に染め、恥ずかしそうに人差し指で頬を軽く掻いた。 「あ!何か、すみません!興奮しちゃって」 関谷さんも頬を赤く染め、申し訳なさそうに謝っている。 「いえ、こちらこそすみません」 2人が照れながら、謝りあってる。 なんだこの構図! なんなんだ! 望月さんはイライラしたように、彰弥くんを睨みつけているし。 私が空気を変えなければ…! 変な使命感に追われ、私は間が空いたみんなに提案をした。 「そうだ!みんなでしりとりしませんか?」 勇気を出した提案だった。 特にしりとりにした意味はないのだけど、他に何も浮かばなかった。 「……………べ、別に構いませんが」 と彰弥くん。 「………………私もいいですよ」 と関谷さん。 「…なんでしりとり?」 と望月さん。 みんな、何故か私に引き気味だった。  
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