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「へえ…物好きだね」
望月さんが真面目に驚いて言う。
から、余計に腹が立つ…!!
でも、落ち着け蓮華。
彰弥くんがこんな私を好きって言ってくれてるんだから、他は気にすることないよ。
それで、充分。
自分を落ち着かせていると、目の前から女の子が恋に落ちる時のような声が聞こえた。
「…ス、ステキ…!」
せ、関谷さん!
彰弥くんを見て、まるで白馬に乗った王子様を見るような目でいる。
「やっぱりその優しい王子様みたいなところ素敵です!雪野王司くん!!」
「だから、雪野王司じゃねぇって言ってんだろ。顔が似てるからって、あんま食いつくなよ」
望月さんがキラキラとした瞳を向けている関谷さんを見て、イラついたように言い捨てる。
「あ、あの…後で一緒に写真撮っていただけませんか?日記に載せたくて…」
関谷さんがギュッと目を瞑りながらお願いする。
彰弥くんは私をチラッと見るから、「私はいいよ」と笑って言った。
彰弥くんは安心したように笑い、「ええ、構いませんよ」と関谷さんに言ってくれた。
「わっ、ありがとうござい」
「駄目」
関谷さんのお礼の言葉を、横から望月さんが不機嫌そうに邪魔する。
関谷さんはあからさまにショックという顔をした。
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