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「な、なんでですか!?」
関谷さんは一生の終わりだと言いたげな顔をして、涙目で望月さんを睨んでいる。
「駄目だ。彼女いるのに、他の奴と写真撮るなんて絶対に駄目だ」
「で、でも本人が良いって…」
「考えてみろ。他の子と自分の男が一緒にいるところを紙切れに残されるんだぞ。嫌に決まってる」
あれ…?
望月さんは、どうやら私のことを考えてくれてるみたいだ。
意外………。
望月さんの言葉を聞いた関谷さんは、申し訳なさそうな顔をして「……そうですね、すみません。私、何も考えなくて」とデジカメを持ちながら謝っていた。
んん?
これは明らかにまだ諦めきれないアピールではないか。
本当にそのゲーム好きなんだなぁ。
きっと憧れの有名人と会ったような気分なんだろう。
「いいよ、関谷さん。私は別に嫌な思いしないし、彰弥くんと一緒に写真撮ってもらいなよ」
「え!?いいんですか!わあ、嬉しいなぁ」
切り替え早っ!
幸せそうに笑う関谷さんに、私と彰弥くんも笑みを浮かべた。
「駄目。絶対に駄目」
ただ、望月さんだけは頑なに駄目と言い張っている。
そこまで私のこと思ってくれる人だったっけ…?
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