*+。タイミング。+*

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パシャッとシャッター音が聞こえ、関谷さんがカメラを持っている望月さんに近付く。 「ありがとうございます。どんな感じかなぁ」 楽しそうにカメラを覗き込む関谷さんにつられ、私も覗いた。 そこには笑顔を浮かべている彰弥くんと私と………あれ…? あれれ? 半分切れてる関谷さん……。 「えぇ!?私、写ってない! 望月さん、もう一回お願いします!」 関谷さんが改めて望月さんにお願いし、望月さんはかなり渋々またシャッターを切る。 また見たら、また関谷さんが切れている。 「ええ!?まただ!?望月さん、もう一回だけお願いします!」 そして、また見る。 「まただ!なんでだろう…」 関谷さんがデジカメを悲しそうな瞳で見ていて、何だか可哀想になってくる。 「レンズが関谷のこと嫌いだから避けてるんじゃないの?」 望月さんはサラリとそんなことを言って、飲み物を飲む。 いやいや、それはないでしょう…。 「…そっか。私、デジカメに嫌われてるんだ…」 って、えぇぇ!! デジカメをしょんぼりとした表情で見てるけど、そんなわけないからね! 関谷さん、真面目すぎだよ!  
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