*+。タイミング。+*

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「雪野王司くんと一緒に写るのは諦めて……二階堂さんと雪野……霧山さんの写真を日記に載せてもいいですか?」 今、撮れたばかりの画像を私と彰弥くんに見せ、悲しそうに言う関谷さん。 あぁ、可哀想に。 望月さんのただの意地悪に、関谷さんはまんまと引っかかり、しょんぼりしたままだ。 「俺は構いませんよ」 彰弥くんがあっさりとオーケーするから、私も頷いた。 「私もいいけど、私の顔のとこはモザイクか何かで隠して欲しいんだけど…」 関谷さんに遠慮がちにお願いすると、関谷さんは何故か渋い顔をしている。 「関谷さん? 別に私はいらないよね?」 そう聞くと、関谷さんはデジカメの画面を惜しそうに見つめている。 ……………? 雪野王司くんの写真を日記に載せたいはずなのに、なんで私も載せたいみたいな顔をするんだろう。 「関谷さん、やめてね。私は載せないでね」 再度、遠慮がちにお願いしてみると、関谷さんはもっと顔の表情を渋らせる。 「だ、駄目でしょうか?人間は顔ではなく性格だということを証明できる写真として載せたいのですが」 「なんでそんな真顔でサラリと失礼なこと言うの!?」 「え?性格がとても良いと褒めてるんですが」 「…嬉しくないよ」 関谷さんの言葉に苦笑いが……。  
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