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お会計は、望月さんと彰弥くんが少し多めに出してくれて、淡々と終わった。
「では、俺達はそろそろ帰りましょうか」
「あ、うん。そうだね」
結局、望月さんがあの時何のことを言ったのか、よく分からないままだ。
「じゃあ、また会いましょうね。関谷さん、望月さん」
私がそう言うと、望月さんは「…ヒマだったらな」と無愛想に言う。
関谷さんは「はい、喜んで!」と何とも可愛らしい返事。
望月さんと関谷さんは、お互いに寄るところがあるらしく、お店の前で2人にバイバイした。
しばらく歩き、彰弥くんの隣りを歩いていると、自然に手が触れ、握られた。
うわっ!や、やばいぞこれは!久しぶりにまた手汗が再発しそう!
変にモジモジしながら彰弥くんを見ると、彰弥くんと目があった。
わわわわわ…!!
今更だけど、格好いい!
「楽しかったですね。望月さんと関谷さんとお話できて」
「うん…!2人とも、良い人だよね」
「しかし、望月さんの“すごいね”の意味が気になりますね」
「だよね!気になるよね!何を見て、すごいって思ったんだろう?」
「…どうなんでしょうね」
2人、歩きながら黙って暫く考えてみた。
でも、やっぱり答えは出てこない。
まあ、本人しか分からないしね…。
考えて歩いていると、ブブブブ…とポケットが震え、メールが来たことを報せてくれた。
画面を見ると…―
あ、望月さんからだ!
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