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次の日。
人混みが多いショッピングモールに今私はいる。
昨夜、椿とネットショップを見た。
でも、ネットショップだけじゃ、駄目だ!現物を見に行こう!
ということになった。
そして、たまたま休みだった私と、たまたま授業が午前中だけだった椿と、たまたま休みだった義貴先輩が、揃った。
「よし、服選びするか~」
休憩するためにあるベンチに座りながら、堂々とゲームをする義貴先輩が言う。
「絶対に選ぶ気ありませんよね」
「あるに決まってんだろ。椿の妹のためだ。一肌脱いでやるよ」
ゲーム見ながら言われても、説得力皆無なんですけど。
「義貴先輩。あんまり無理して選ばなくてもいいですからね。
椿に来るように言われたんなら、2人でここら辺ブラブラしてきて下さい」
「何言ってんの!椿がこの話したら、義貴くんが自分から言ってくれたのよ!
義貴くんだって蓮華の心配してるんだからね!
周りの気持ちに気付きなさいよ」
「そうだぞ」
…なんで私怒られてるんだろう。
「……そっか。ありがとう」
ぶつぶつ言っても始まらないから素直にお礼を言ってみた。
「分かったならいいのよ。
さあ!どんどん見ましょう!」
ショッピングモール内を、椿に手を掴まれ、歩き回った。
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