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「あぁ!あれも可愛い!」
ねえ、椿。
「あ、これもいいかも!蓮華に似合いそうー」
選んでくれるのは嬉しいよ。
「これもいけそうー」
嬉しいけどさ…。
「じゃあ、これ全部試着してみてね」
試着室の前に立たされた私に、ドンッと効果音がつきそうなくらい差し出された洋服の山。
「ま、待って…。これ全部着ろっていうつもりじゃないよね?」
洋服の山を両手で持たされ、恐る恐る尋ねてみた。
「え?もちろん!そうに決まってるじゃない」
「む、無理だよ!こんなに着れないし疲れるよ!静電気で髪がパチパチするよ…」
「そんなの気にしないのっ!彰弥くんに『可愛い』って言われたいでしょ?」
んん~、言われたいけど…別に…服にこだわらなくても…。
「いいから、気に入ったの着てみりゃいいじゃん。ほら、入った入った」
義貴先輩が、椿と私の試着討論を聞くのが嫌だったのか、私の肩を押し、無理矢理試着室に入れられた。
「……気に入ったのか。着てみるかなぁ」
床にドサッと服を置き、見てみる。
椿だって、私のためにやってくれてるんだもんね。
気持ちに応えないと…。
渋々服を見ていくと気に入ったのがあったから、3枚試着してみた。
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