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「とりあえず義貴くんも良いって言ってくれたんだし、これでいいわね」
椿が、着替え終わって試着室から出てきた私に笑みを向けた。
「…う、うん。何かこれ着ていくの恥ずかしいけど」
「そういう気持ちは捨てなさい!彰弥くんと仲良く旅行するには、少しくらい気合い入れていった方がいいと思うわ」
椿が、今度は自分の服を見ながら、私に言う。
「…そういうもんかなぁ」
「誰だって腑抜けた格好の人より、綺麗な格好の人を選ぶわ。そういうものよ」
椿が服を漁ってる間、私はベンチに座って待ってることにした。
義貴先輩は、椿の服を一緒に見てあげている。
自分が買ったものの袋をチラリと見た。
…彰弥くんも…可愛いって言ってくれるかなぁ。
彰弥くんにそんな言葉、求めてないって自分では思ってたけど…本当は少し言って欲しい。
彰弥くんのことを考えると、急に緊張してきて、心臓が変に高鳴ってきた。
何だかんだ言って、旅行が楽しみだ。
楽しみで仕方ない!
早く…当日になればいいのに。
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