2795人が本棚に入れています
本棚に追加
メールを確認すると、家の前で待ってるとのことだから、すぐさま自分の荷物を背負いこみ、家を飛び出した。
「…あ、おはようございます」
「お、おはよう…!」
勢い良く部屋を飛び出し、続けて家も飛び出したため、息が若干荒くなる。
ちょっと急ぎすぎたかな…はあ…はあ…。
「そんなに急いで来なくとも、俺は逃げませんよ」
柔らかく笑って、私の荷物に手をかける彰弥くんに、胸がキュンとする。
「あ、ありがとう」
「いいえ」
私の荷物を車に詰め込む彰弥くんに、また喉の奥がじんわりと何かがきた。
うわぁ…っ、こんな感じ良いなぁ……。
自然に私の荷物を車の中に運んでくれてる辺りから、付き合ってるっていう感じがする。
ドラマとかに何気なくありそうな感じだよね。
「では行きましょうか」
「は、はい…!」
彰弥くんの言葉に、元気良く返事をし、後部座席に乗り込もうとした。
その瞬間、パタンと後部座席のドアが閉められる。
「え?」
な、なぜ閉めるの?
今から乗るのに?
「こっちですよ」
「え?え?」
頭の中でハテナが浮かんでいると、手首を掴まれ、助手席に乗らされた。
隣りを見ると、彰弥くんのところの執事さん。
ではなく、彰弥くんがいた。
最初のコメントを投稿しよう!