*+。会いたい。+*

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「…………」 「…………」 無言で見つめるって、案外辛いなぁ。 ジーッと見ていると、沢木さんが「なに見合ってんの?」と軽く笑いながら聞いてきた。 「わ、分かんないけど、望月さんが私を見てるから、私も望月さんを見てるんです!」 話してる間も絶対に目を話さないように、望月さん一点を見て答えた。 「あはは!面白いね、二階堂さんって」 木本さんが優しく笑う。 「ですよね!蓮華、ちょー面白くて今ではあたしの親友なんですー」 由衣が私の腕を掴み、自分の腕を絡める。 「面白い子だな。なー、啓」 爽やか沢木さんが望月さんに対して、笑いかける。 望月さんは笑いもせず、つまんなそうに口を開いた。 「そうか?そりゃあ、良かったな」 なんだこの態度! 冷たい! ドライすぎる! 「望月さんは何か怒ってるの?」 気になったのか、由衣が望月さんに対して聞いた。 「何も怒ってねぇけど」 ふー、と軽く溜め息を吐く望月さん。 「悪いな、田村。啓は、恥ずかしがり屋というか…無愛想に見えるけど、良い奴なんだ。 ただ今日は約束があったみたいなんだけど、俺が無理矢理連れて来ちゃって」 何故か、自分が悪いかのように謝る沢木さんに、彼は申し訳なく思わないんだろうか。 「そうなの。あ、そういえば聞いて聞いて! なんと!あたしの隣りにいる蓮華ちゃん!実は、双子ちゃんなのでーす!」 大した望月さんのことは気にしてないらしく、由衣がバーン!と元気良く自慢げに言う。 なぜ、由衣が自慢げ?  
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