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「わ、私こそ!ごめんなさい…!」
こんな短い服着てきちゃって…!
「謝らないで下さい。これ、使って下さい」
彰弥くんは、ガサガサと後ろの後部座席から何かを取り出した。
「わ、私寒くないよ」
彰弥くんから受け取ったのは、ブランケットだった。
「そうではなくて…少し失礼します」
彰弥くんがブランケットを私から取り、ファサッと私の足にかけてくれた。
ああ、そっか。
私の無駄な肉がついてる太ももを隠してくれたんだ。
「ありがとう」
「いいえ…俺も耐えられませんから、ね?」
「ご、ごめん…」
「いえいえ。俺の我慢強さの問題ですよ。蓮華は何も悪くありません」
そう言って、彰弥くんは笑ってくれた。
彰弥くんが私とお付き合いしてくれているなんて、本当に夢みたいだ……。
こんな王子様みたいな人、他にいないよ…。
そんなこと考えてると、ゲームやりたくなってきた。
家族旅行ならすかさず、携帯できるゲーム機を出すけど……ここで出しちゃいかんよね。
「蓮華」
「は、はい!?」
ゲームのことを考えていたから、返事をするのに思いっきり驚いてしまった。
「最近は、そのような格好をされていたりするんですか?」
わわ…また私の服装の話に戻っちゃった…。
恥ずかしいから、この短いワンピースについて触れないで欲しいなぁ…。
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