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「と、とりあえず旅行楽しみだね!」
「そうですね」
危ない危ない…!
話題を変えれて良かった!
頭をこれ以上ぶつけたらタンコブ出来ちゃうから、もうそろそろ落ち着かないと。
―――――――――――――
――――――
しばらくお互い無言で、車に乗っていると、だんだん眠気が私を襲ってきた。
「……ぐぅ……」
ゴツン…ッ―
眠気が来ると、私の頭が窓にぶつかり、ハッとして目を見開く。
それの繰り返しをしていた。
「……ぐっ……おおっと、危ない危ない…」
眠い目を擦りながらそう言うと、急に背もたれがガクンと後ろに倒れる。
「うわわ…」
眠いせいか、まともなリアクションもとれない。
「そうやって横になってるといいですよ。着いたら起こしますから」
彰弥くんが背もたれを倒してくれたんだ。
運転しながらも、よく見てるなぁ。
「で、でも私だけ寝るのも何だか…」
「構いませんよ。旅館に着いてから、寝られても困りますからね」
「そ、そっか。じゃあ、お言葉に甘えて。
ありがとう」
横になると、うーん。良い気持ちだ。
すぐにでも、眠れそうな中、サラリと前髪を触られる感覚がした。
「おやすみなさい、蓮華」
あったかい……。
柔らかい言葉を耳に、私は静かに意識を落とした。
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