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「……げ、蓮華。起きて……―…い。蓮華…」
「うへへ……それは後で食べるよ…」
「何の夢ですか?」
「……ぬふふ……ふふって、あれ?彰弥くん…?」
今、ちょうど美味しそうな牛を食べようと……してたら、目の前に彰弥くんが何故かいた。
「なんでいるの?」
「どこまで記憶が飛んだら気が済むんですか。ほら、おりますよ」
優しく私を起こしてくれる彰弥くんに甘え、彰弥くんの腕を掴み、車から降りた。
「そういえば着くまで寝かせてもらってたんだ。
ありがとう、彰弥くん」
「いいえ。では、中に入りましょうか」
「あれ?なんか手続き的なことはしなくていいの?」
普段家族としか旅行は行かないし、ましてや手続きを親がするまで、椿とブラブラしてたから、どんなことするかは知らないけど、聞いてみた。
「さっき済みました。蓮華が寝てる間に、荷物も運んで置きましたよ」
え?
ええぇ!?
「ご、ごめんね!呑気に寝ちゃってて!起きてから一緒に運んだのに!!」
爽やかな笑顔を向けてくれる彰弥くんに言うと、彰弥くんはまったく気にしてないみたいだ。
「気にしないで下さい。蓮華に少しでも長く寝て頂きたいので、そうしたまでですから」
彰弥くんって、本当に天使みたいな人だよね。
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