2795人が本棚に入れています
本棚に追加
「ご、ごめん。何かをキチンとやりたいけど、なかなか上手くいかなくて…」
座布団を床に置き、俯いた。
あまりにも彰弥くんに甘えすぎてるから…何か出来ることがあればいいんだけど。
「大丈夫ですよ。蓮華を見てるだけで俺は楽しいですし、無理に何かしなくても、一緒にいるだけで嬉しいです」
彰弥くんの手のひらが私の頭にポンと乗り、優しく髪を撫でてくれる。
「…ありがとう」
昔から彰弥くんの優しさに助けられてばかりだ。
「いいえ。あ、そうだ。夕方になったら、温泉に入りに行きましょうか。
それまで、どこか散歩でもしてましょう」
彰弥くんが私の腕を引っ張り、立たせてくれた。
私のこの曇った気分を晴らしてくれようとしてくれてるんだね。
「どこに行きたいですか?」
館内を手を繋ぎながら歩いてくれる。
私の歩幅に合わせて。
「うーん。彰弥くんが好きなところでいいよ」
「蓮華の好きなところで俺は構いませんよ」
そんなことを言われても……余計に困ってしまう。
「う~ん………」
彰弥くんとなら、本当にどこでもいいんだけどなぁ。
私が歩きながら悩んでいると、彰弥くんが閃いたと言わんばかりに口を開いた。
「では、ゲームセンターに行きましょう!」
「え!!?」
彰弥くんとゲームセンター、ミスマッチすぎる。
最初のコメントを投稿しよう!