*+。会いたい。+*

28/44
前へ
/430ページ
次へ
「マジ!?すげー!」 「羨ましい!俺もなってみたかったんだよ」 爽やか沢木さんとダンサー木本さん(私の中では)が、興奮気味に言った。 よく羨ましがられるけど、実際はそんなにいいもんじゃない。 顔が似てても厄介だけど、顔が似てないと比べられて、どっちが良いとか、どっちが悪いだとか…散々言われるからだ。 「二階堂さんは、姉?妹?どっちの方?」 沢木さんが興味深々に聞いてくるから、「妹です…」と返事をした。 「顔、やっぱりそっくりなの?」 「全然似てないです。姉は美人なんで」 なんで椿のことを知らない人の前で、またこんな話をしなきゃいけないんだろう…。 憂鬱になってきた。 「へー、そうなんだ。二階堂さんも結構可愛いと思うよ?」 爽やか沢木さん、爽やかに嘘を吐くのはヤメて下さい。 「浩輔、分かりやすい嘘やめろ」 クール望月さんがサラリと沢木さんに言う。 望月さんは、なんでこんなに無愛想というか冷たい感じの人なんだ。 「嘘じゃねえって! あ、そういえばさー、俺の高校の時の友達の友達の友達がさー、双子の子と付き合ってたんだってー! なんか、スゴくない?レアじゃない?」 私からすると、高校の時の友達の友達の友達と繋がっていたのがスゴいと思う。 「あー!いいね!あたしも憧れたことあるー」 由衣が共感し、沢木さんと木本さんと由衣がその話で盛り上がり始めた。 ちょ…おいてかないで欲しい…。 「……なんて、最低よ」 「え?」 隣りからか細い声が聞こえ、ついつい聞き返した。 その瞬間、 「双子なんて最低よ!!」 拳をダンッとテーブルにぶつけ、大きな声で叫ぶように言ってる前川さんがいた。  
/430ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2795人が本棚に入れています
本棚に追加