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「しょーちゃん、久しぶりだな!」
「霧山くん、お久しぶり」
ハジケ気味に言う青年と、軽く笑みを見せる女性に、私は目を瞬かせた。
だ、だれ?
「な、なぜここに?」
彰弥くん、至って冷静……?
だけど、多少動揺してるのが言葉で分かった。
「遊びに来たんだ!たまには向こうじゃなくて、こっちでも遊ぼーぜ」
健康的な黒髪とは、裏腹に少し色白な笑顔の青年が笑った。
これがまた可愛い雰囲気の子だ。
なんだ、これ。
展開が、まったく私の頭ではついて行けない。
彰弥くんと旅館に来たのに、まったく私の知らない2人組が私達の個室の中にいる…!
誰か、この状況を説明しておくれっ!!!
さっきまでの甘い痺れは、もう微塵も無くなってしまい、ただただ部屋に侵入してきた2人を見た。
元気のいい青年とバチッと目が合う。
青年は、笑顔を曇らせ、ムッとした表情で私を凝視してきた。
「その人、誰?もしかして、しょーちゃんの彼女か?」
「ええ。以前、お2人に写真で見せましたよね」
と、彰弥くん。
「ああ、携帯で見たあの彼女ね」
と、スレンダー女性。
……ということは、彰弥くんが私の写メを見せた友達?
キャンパスの?
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