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「そういえば彼女さんの名前は…何だったかしら?」
佐山さんが首を傾げ、考えるポーズを取る。
「二階堂蓮華さん、だよね」
佐山さんの隣りで、早乙女くんが私にニコッと笑みを見せて答えてくれた。
「あ、うん。そうです」
うわぁ、私の名前覚えててくれたんだ。
早乙女くんって、最初怖かったけど…良い人っぽい。
「よく覚えてましたね。結構前に写真見せたはずでしたのに」
彰弥くんも感心したように早乙女くんを見た。
「何言ってんだよ!
忘れるもんか、しょーちゃんの彼女だもんなー」
ヘヘッと笑う早乙女くん。
彰弥くんは、向こうの大学でこの人たちと仲良くしてたんだ。
私も今の内に仲良くならないと!!
彰弥くんの彼女というレッテルを貼られるんだから、優しく大自然のような彼女になれるよう頑張ろう!
フンッと鼻息を荒くし、意志を固めた。
「あまり必要のないことに意気込まないで下さいね」
「え?ああ、うん。なるべく気をつけるよ」
何故か私の決意が彰弥くんに読まれてしまった。
「つーわけで、しょーちゃん。俺ら、観光がてらココに泊まるから。仲良くしようなぁ」
早乙女くんは、彰弥くんに楽しそうに絡んでいる。
そうかぁ、ここに泊まるのかぁ。
私たちの方に、ちょっかい出しに来るよ宣言らしきことを言ってるけど………まさか本気で2人きりの旅行にずいずい入ってこないよね?
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