*+。危険な…。+*

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卓球スペースから離れ、私と早乙女くんは自販機まで歩いた。 これが自販機が近ければいいんだけど、これまた遠いんだ自販機よ。 あぁ…早く彰弥くんと一緒に楽しみたいのに…。 わざわざ彰弥くんの女友達と彰弥くんを2人っきりにしちゃうなんて……これ何て言うサプライズ? 早乙女くんと並んで歩いてるけど、彰弥くんに比べたら、結構低い。 早乙女くんって背が私と同じくらいなんだなぁ。 私より若干は高いけど、小柄だ。 並んで見ると、ますます小柄さが安易に分かる。 体重も私より、軽いんじゃないか? いや、きっと軽いんだろうな…。これは間違いなく軽いな。 早乙女くんを横目で見ながら、そんなことを考えていた。 「ねえ」 「は、はいぃ!?」 早乙女くんに急に声をかけられ、慌てて視線を逸らし、返事をした。 「このまま、2人でどっか別のとこ行っちゃわない?」 パ、パドゥーン? 早乙女くんの意外な言葉に、学生の時に無駄に頻繁に使っていた英語を脳内で言ってしまった。 「い、今なんて?」 「だから、2人で別のとこで遊ぼーよ」 早乙女くんがニコッと可愛らしいスマイルを私に向ける。 「え?だ、だって、彰弥くんと佐山さん待ってるよ!?」 ど、どういうことだ!? 脳内がパニックに陥っていると、早乙女くんが手をブンブンと振っている私の腕をパシッと掴んだ。 「さ、早乙女くん…?」 変な汗が出る…。 「2人っきりになりたいんだ。いいよね?」 私の腕を掴んだ手の強さ。 頑なに崩れない笑顔。 早乙女くんの笑顔は、とても冷たい気がした。  
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