*+。早乙女くん。+*

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「二階堂さんには、本当に申し訳ないと思ってる」 早乙女くんは悲しい顔をしてそう言った。 「なんで……。 早乙女くんは……悪くない…よ…」 言ってる途中で、涙が頬を伝う。 泣くもんか…と、目を擦るけど……なかなか涙が止まる気配がない。 「俺が止めなかったから……。2人が望むんなら……2人がそれでいいんなら、いいって思えたから」 「そ、そ…だよね…。友達だもんね……。友達の幸せは、望むものだもんね…」 心変わりなんて、誰だってする。 離れてる、ちんちくりんな私と。 近くにいる、綺麗な佐山さん。 どっちを選ぶって聞かれれば、佐山さんを間違いなく選ぶだろう。 それは、誰だってそうだと思う。 100人中99人は、佐山さんを選ぶ。 ただ、たった1人。彰弥くんだけは、私を見てくれると思っていた。 「…ま、まあ。でも、ほんの気の迷いでしちゃったかもしれないしね」 「気の迷い…? それって、浮気ってこと…?」 「男なら、する奴は多いよ。しょーちゃんも仕方ないよ。二階堂さんと離れてたんだもん」 早乙女くんは、諦めなよ…とでも言いたげに、微笑む。 そっか…。 もう、その…彰弥くんがしてしまった行為は、浮気に入ってしまうんだ。 彰弥くん、どうしてなの…?  
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