*+。会いたい。+*

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「…そうだけど」 否定できない為、渋々由衣の言葉に頷いた。 「そんなの自然消滅してんじゃない?」 「し、自然消滅…!?それはない!絶対にしてない!」 由衣があっけらかんとした表情でサラリと言うものだから、私は目を見開き驚きつつ、さっきとは反対に勢い良く首を振った。 「あっはは!そんな面白い顔しないでよ~。 でも、まったく会ってないんだったら自然消滅してもおかしくないよね~?」 な、なんてことを言うんだ。 自然消滅なんて、恐ろしいことを。 「ちゃんと連絡だって取ってるし、自然消滅は絶対にないよ!電話だってメールだって、ちゃんとしてるもん」 ムッとして由衣に言うと、由衣は更にニヤリと笑う。 「な~んだ、なら安心。電話もメールもしてるんだぁ。最近はいつ電話したの?」 「…え~っと」 最近は…確かこの間はメールでネリケシの存在意義について討論してたから…電話したのは… 「…ちょうど1ヶ月前くらいかな」 「…はあぁ!?」 私が記憶を辿りながら答えると、由衣がすごい形相で私を見てる。 「…どうしたの?」 「いや、どうしたのって、ちょっとアンタ…。電話したのが1ヶ月前ってヤバくない?付き合ってるんだったら、毎日してもいいくらいなのに1ヶ月前って」 「そ、そうかな?」 私はそんなに変だとは思わないけど…由衣が私の両肩をガッチリ掴みながら揺さぶってるのを見ると、普通は変なんだろうか。 「…間違いない。間違いないわ」 由衣が急に名探偵みたいなセリフを吐き、その瞬間私にピッと人差し指を向けた。 「間違いなく!これから自然消滅するわ! だから新しい彼を探すために、火曜日の合コン行こっ」 フフッと笑う由衣を、私は数秒後には無意識に叩いていた。  
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