*+。ボク、オレ。+*

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毎日月曜日ならいいのに…。 そう思うくらい、月曜日のバス停が楽しみになっていた。 昼休み、自分の机に寝そべり、重い溜め息を吐いた。 『どしたの~?早乙女くんがそんなダルそうにしてるの初めて見た~!』 同じクラスの女子、山下が間延びした声で話しかけてきた。 『別に…』 『うわっ、返事もダルそう~!夏バテ?』 『いいや…』 そう答え、ペットボトルに入ったスポーツドリンクを飲む。 『あ、じゃあ好きな人でも出来たんでしょ~?』 『ぶふぉ…っ!』 『いやぁ、汚い!大丈夫!?』 『げほ…げほっ、ごほっ……』 つい山下の言葉に、スポーツドリンクを噴き出してしまった。 『うわぁ!もしかして、早乙女くん図星だったりする?』 山下は相も変わらず楽しそうだ。 『…別に』 『あはは~、耳真っ赤~!早乙女くんの好きな人って、このクラスにいるの!?』 もうコイツに隠しても意味がない。 僕のリアクションを見て、山下は絶対に確信してるし。 『いないよ…。というか好きではないよ』 『ふ~ん。じゃあ気になってるんだぁ?』 『うっ……まあ、多少』 山下から目を逸らし、返事をする。 『ふ~ん。早乙女くん、クラスの女子には一切話しかけないもんねぇ。じゃあ、別のクラスかな~?』 『…この学校にはいないよ』 山下が鋭い目で僕を見てくるから、正直に言い放った。 『へぇ~。気になるなぁ、早乙女くんの好きな人!』 『だから、あの人はそういうんじゃないって!好きとか思ってないし!』 あまりにも山下がクドいから、言い捨てるように言うと、まだ不満そうだったが、別の友達のところに行った。  
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