*+。会いたい。+*

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「…んー、まあ過去は過去でしょ。終わったことより今頑張んないとね。ってことで気を持ち直して、何か良い話しよー!」 由衣が空気を替えようと明るい声を出して言ってくれた。 沢木さんも木本さんも賛成し、前川さんも由衣の言葉に頷いた。 私と言ったら、同じ双子だからか…前川さんに対して申し訳ない気持ちが湧き上がる。 すごく…傷ついたんだろうな…。 「んー、じゃあじゃあ!あたしが一番楽しかった時の恋愛話するー?」 「うわー!田村の恋愛話とか聞きたくねえ!」 「ひでー、浩輔。俺、聞きたいなぁ」 …前川さんが、その2人が入れ替わっていたことに気付いていたら、何か変わったのかな…。 きっと、前川さんとその双子のお兄さんは別れなくて済んだはずなんだ。 なのに…、お互いを傷つけるような真似して…相当……………。 …相当…誰にも気付かれなかったことに苦しんでたんだ…きっと……。 「あんたが深く考えなくてもいいんじゃない?悩んだって、時間の無駄だ」 斜め前にいる望月さんが無表情でサラリと言い放った。 「…確かに…。確かにそうですね…」 そりゃ、そうだ。 私が悩んだって何も解決しないし、中学生時代の話となったら、およそ5、6年は前の話。 こんなとこで私が考え込んだって意味が無いのは分かってる。 ……分かってる。 分かってるんだけど…!!! 前川さんをチラリと見た。 …楽しそうに木本さんと話している。 くそおぉ!こっちがこんなに悩んでるのに楽しそうに会話してえぇ! あー!何かモヤモヤする! もういい! ご飯食べて、モヤモヤ消化だ! お肉やサラダを自分の取り皿に目一杯入れ、バクバクと食べた。 おいひー!  
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