*+。ボク、オレ。+*

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こんな俺が受け入れてもらえるはずがないんだ。 俺が変わらないと……みんな離れていっちゃう…。 『……何か、隠してはいませんか?最近、一向に会話が出来てない気がしますが』 『……とりあえず、どうにかしないと無理なんだよ、俺は。 彰弥と佐山と遊びたいけど…、俺は変わらないといけないんだ』 彰弥にそう言うと、更に首を傾げられた。 『…何故変わらないといけないんです?』 『……変わらないと、みんな離れるからだよ』 言えない。 本当のこと、言ったら……今の俺のこと言ったら……絶対に嫌われる。 『……俺は離れませんよ』 『…っ…う、うるさい。嘘に決まってる。絶対、本当の俺を知ったら……彰弥も佐山も離れるよ』 彰弥の優しく笑った顔に、一瞬心が揺らぐ。 『何故です? 俺たちは、友達ですよ』 『…もう!ほっといてくれ!!疲れてるんだから、イライラさせないで欲しい!』 自分が寝そべっていた机をバシィッと叩き、彰弥に一喝した。 『執拗に言うつもりはありませんが、俺も佐山さんも…早乙女くんと居たら楽しいから、一緒に居るんです。 本当の早乙女くんも、偽の早乙女くんも…根が変わっていなかったら、嫌いになる理由はありません』 『……っ…!』 まっすぐ目を見て言ってくれた言葉は、小さく俺の心に灯った。  
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