*+。良かったねって。+*

3/26
前へ
/430ページ
次へ
なに、なんで…簡単に俺の気持ち理解しようとするわけ…? 「…分かるわけ…ねぇよ…。元から…女でしょ、あんたは」 って、なに羨ましがってんだ俺は! いい、駄目だ。コイツと話してると、頭ん中痛くなりそうだ。 つーか… 「…どう思われてもいいけど、あんたから見る俺って…気持ち悪いでしょ」 目を逸らし、背中を向けると、震える声で俺にまだ話しかけてきた。 「……気持ち悪くないよ…!何がいけないの…!?ただ、純粋に好きなんでしょ?」 「嘘だ…、あんたみたいな奴らは…絶対に心の底では…」 声が震える。 バカみたいだ…。 「思わないよ…! 本当は、早乙女くんが心の底で思ってるんじゃないの…!? 自分で安心してはいるけど、そう思われてるんじゃないかって不安になって思い込む」 やめろよ…っ、俺は別に……― 「みんな、変なことだと思ってないし、気持ち悪いとも思ってない。 彰弥くん以外にだって、そう思ってる人は沢山いるよ。 佐山さんだって、早乙女くんが大切な友達だから、傍にいるんだよね」 やめろ…っ。俺はそんな言葉が欲しかったわけじゃ…― 「もう、安心していいんだよ…」 穏やかな声が憎たらしくて…、でも俺の頬にはさっきとは違う温かい何かが伝っていた。  
/430ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2795人が本棚に入れています
本棚に追加