2795人が本棚に入れています
本棚に追加
なに、なんで…簡単に俺の気持ち理解しようとするわけ…?
「…分かるわけ…ねぇよ…。元から…女でしょ、あんたは」
って、なに羨ましがってんだ俺は!
いい、駄目だ。コイツと話してると、頭ん中痛くなりそうだ。
つーか…
「…どう思われてもいいけど、あんたから見る俺って…気持ち悪いでしょ」
目を逸らし、背中を向けると、震える声で俺にまだ話しかけてきた。
「……気持ち悪くないよ…!何がいけないの…!?ただ、純粋に好きなんでしょ?」
「嘘だ…、あんたみたいな奴らは…絶対に心の底では…」
声が震える。
バカみたいだ…。
「思わないよ…!
本当は、早乙女くんが心の底で思ってるんじゃないの…!?
自分で安心してはいるけど、そう思われてるんじゃないかって不安になって思い込む」
やめろよ…っ、俺は別に……―
「みんな、変なことだと思ってないし、気持ち悪いとも思ってない。
彰弥くん以外にだって、そう思ってる人は沢山いるよ。
佐山さんだって、早乙女くんが大切な友達だから、傍にいるんだよね」
やめろ…っ。俺はそんな言葉が欲しかったわけじゃ…―
「もう、安心していいんだよ…」
穏やかな声が憎たらしくて…、でも俺の頬にはさっきとは違う温かい何かが伝っていた。
最初のコメントを投稿しよう!