*+。良かったねって。+*

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なんで俺がコイツの言葉で泣かなきゃいけないんだよ…。 「さ、早乙女くん…?大丈夫?」 そんな心配そうな声出すなよ…。 俺、さっきまでお前に酷いことしたのに…。 「俺…お前みたいな奴、嫌いだ。何も努力しないで彰弥の優しさに甘えて…楽しそうにしてる。 お前みたいな奴、大嫌いだった…。 だから、彰弥の彼女の話聞いたとき…すげー腹立って…。彰弥が最初から片思いだったって聞いたのも認めたくなくて…。 写真で見たお前は、頼りなさそうな奴で…これは彰弥の足を引っ張るって確信した。 だから、お前から連絡来ないように着拒にして…音信不通にさせようと思った。彰弥はきっとガッカリするだろうけど…でも簡単に諦めるだろうって。 彰弥には、幸せになってほしいから…良い子と付き合って欲しい。 俺が…文句言えねーくらいに…簡単にコイツなら納得できるって思えるくらい…そんな奴と付き合って欲しかったんだ」 ぼろぼろと涙を零しながら告げる早乙女くんに、私は口が開けなかった。 確かに…私が彰弥くんの隣りに居ても誰も納得できないだろう。 でも、本当にこの気持ちだけは負けない。誰よりも。 「でも、わたし…」 「でも、お前は真逆だった。見た目は全然彰弥と釣り合ってないし、性格だって…彰弥にきっと頼ってばっかりで、彰弥なしじゃ何も出来なさそうに見えるし、バカみたいだし…アホだし…おまけにドジでうざそうだし…」 おっしゃるとおりで…。 そこまで言われたら、何も言い返せないけど…。 「でも、彰弥のこと…すげー好きだっていうのは分かった。 …お前に頭下げるのは、クソむかつくけど…彰弥のこと、頼む。 絶対、幸せにしてほしい…!!」 涙を流して、私に真っすぐ頭を下げる早乙女くんは…本当に好きな人の幸せを願ってる一途な人にしか見えなかった。  
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