*+。良かったねって。+*

13/26
前へ
/430ページ
次へ
「ちょ、ちょっと待ってよ。それって?それって、どういうこと?え?だって、彰弥くんとそのそういう…ことして…。 あ、でも…あれは彰弥くんからしたんだよね…あはは」 もうワケが分からなくて、笑うことしか出来ない。 さっきまで泣いてたはずなのに、予想外の言葉で涙も出てこなくなった。 彰弥くんを見ると、何とも言えない表情。 「…蓮華、俺が自分からすると思いますか?」 「え…?だって、さっき彰弥くんが自分で…」 言ってたから…。 そう思って、ハッとした。 彰弥くんは、自分からしたって…そう言ってた。 私はそれを信じたくなかった。 でも、彰弥くんがそう言うなら…って簡単にその言葉を真に受けたけど…、もし…もし彰弥くんが何かの理由で嘘を吐いたとしたら…? あれ?でも、佐山さんからしたとなると、おかしいよね…? だって、彰弥くんの言った通り佐山さんは早乙女くんが好きなら…佐山さんが自ら彰弥くんにあんなことするなんておかしい…。 「…蓮華には、本当に申し訳ないと思ってます。あんな場面をお見せしてしまったのは…本当に…」 彰弥くんはそう言って、口を拭う。 私の目の錯覚なのか、本当にそうなのか分からないけど…。 本当にさっきのことを申し訳なさそうにしているしょんぼり彰弥くんが見える。 でも、正直言うと…。 「ご、ごめんね。状況がよく分からないんだけど…。えっと、彰弥くんは…私のこと好き…でいてくれてるのかな?まだ」 それを言った瞬間、彰弥くんが若干眉間にシワを寄せたのが見えた。 「当たり前じゃないですか。もう首輪つけてそのことを存分に教えたいくらいですよ」 「ごめん。私が悪かったです」 こ、こわい!! 彰弥くんの涼しげな笑顔がすっごい怖い! じゃあ、彰弥くんはまだ私のこと好きでいてくれてるんだ…。そのことを聞くと、少しホッとした。 「じゃ、じゃあ…佐山さんが早乙女くんを好きって本当?」 「ええ、多分」 「多分って、確信は無いの?」 「ないですね。ただ、自信はあります」 彰弥くんがはっきり言い切り、私の不安は若干拭い去ることが出来た。 でも、彰弥くんが言ったことだから間違いないと思うけど、どこから出る自信だろう…? 私が首を捻り、眉間にシワを寄せていると、「俺の後について来てくれませんか?」と言われ、断る気もないから大人しく頷いた。  
/430ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2795人が本棚に入れています
本棚に追加