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居酒屋の飲み放題コースを選んだ私達は、21時30分には居酒屋を出ることにした。
今は、お会計を済まし、外でぶらぶらとみんなで歩いている。
由衣は、爽やか沢木さんの傍からピッタリ離れない。
そんなに沢木さんが好きなんだなぁ。周りから見たらバレバレの好意に、沢木さんは気付いているのか…。
木本さんは、前川さんと楽しそうに私の前を歩きながら話している。
前川さんの過去の話を聞いてから、私は気分が重いって言うのに…当の本人はもうあっけらかんとしていた。
「…なんだよー…もう…」
頭をガシガシと掻くと、隣りから熱い視線を感じた。
横を向くと、望月さんが私の隣りを無愛想に歩いている。
うん、この人はもう笑わない人なんだ。
元からこんな感じの人だ。
もう無愛想でも何とも思わんぞ。
まあ、望月さんのことは置いといて、食べ過ぎた…うえー。
「…た、食べ過ぎた…」
「確かに。男より食ってたよな、あんた」
望月さんが私を変なモノでも見るかのようにジロジロと見てきた。
「…だって美味しかったし…。みんなで食べるものなんだから…食べないと損じゃないですか。誰かに先に食べられるのも癪だし」
「女らしからぬ意見だよな」
「素直に生きてると言って下さい」
キッと望月さんを睨み、下を向いた。
うぅ…頭もなんかクラクラしてきた…。私…お酒は飲んでないよね…?
なんでこんなフラフラするんだろ……。
しかも、胃が重い……。
って、ちょっと…!?
いや、かなり…ヤバいかも…!!
「…!!」
咄嗟に口元を抑えて立ち止まった。
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