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早乙女くんと佐山さんを見送り、部屋に戻る途中あることに気付いた。
「あれ…、そういえばもう夜ご飯の時間じゃない?」
窓の外を見ると真っ暗で、どれだけ時間が経ったか分かった。
「そうですね。もう…19時半ですからね」
彰弥くんの腕時計を覗いた。
本当だ。もう19時過ぎてしまったんだ。
あの二人に結構な時間を持ってかれてしまったなぁ…。彰弥くんと一緒に居る時間が限られているっていうのに…。
ふぅ…と小さく溜め息が出てしまった。
もう色々と動き回ったから腰にガタがきてるよ…。足も疲れてるし…。
高校生の時とはえらい違いだなぁ…。
「大丈夫ですか…?疲れてます?」
彰弥くんが遠慮がちに聞いてくれたけど、ここで嘘を吐いても仕方ない。
「うん…ちょっと疲れたかな…。もう私も学生の時とは体力が違うからさ、あはは」
素直に言うと彰弥くんは心から申し訳なさそうな顔をした。
「すみません。俺の友人が訪れたばかりに…蓮華に気苦労をさせてしまって」
「いやいやいや!!彰弥くんが悪いわけじゃないんだよ!早乙女くんや佐山さんとも話せて嬉しかったしさ!ただ私の体力がないってだけだよ」
いらない心配をかけてしまった…!
慌てて言うと、彰弥くんは少し安堵しながらも、まだ不安そうな顔をしている。
「では、部屋まで俺がおぶって差し上げますよ」
「いい!!いらないよ!大丈夫!」
「それが嫌でしたら、お姫様抱っこに変更しましょう。これならいいでしょう?」
「いや、もっと嫌だよ!なにその確信!どこからくるの!?」
彰弥くんがもう私の膝裏に手を出しかけてるから、慌てて離れた。
「ほら!もう元気だよ!彰弥くんのおかげで元気になったから、おんぶに抱っこはしなくても大丈夫だよ!」
一生懸命彰弥くんの前でジャンプしてみたりする。
「…でも、ジャンプしながら足が震えてますけど…?」
しまった!あまりに足に負担をかけ過ぎて、すごいプルプルする!
自分の体重の重さを恨むよ…。
「違うよ!これは…武者震いだよ!」
なんだろう、このさっきよりも疲れる感じ。
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