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何に対しての武者震いなのか彰弥くんも聞きたいところだろうが…私自身分からない。
それでも彰弥くんが見つめる中、懸命に動き回ってみせると、彰弥くんは「…分かりましたよ。それぐらいの元気があるなら大丈夫ですね」と納得してくれた。
「う、うん。はぁはぁ…だ、はぁ、大丈夫だ…ふぅ…よ」
あぁ…無駄に体力を使ってしまった。
うぅ…今の無駄な動きで汗がすごい出てくるよ…。
ほっぺからも汗がタラーっと落ちる感覚がする。
いやいや…もう本当にすぐ疲れるようになってしまったなぁ…。
彰弥くんを見ると、私の方を眉根を寄せて見ている。
眉根を寄せた渋い顔をする彰弥くんも素敵だなぁ。
あれ…?なんだか頭の中ボーっとしてきた。
…無駄に頭グラグラするし…。ちょっと辛いかも…。
「蓮華…本当は大丈夫ではありませんよね?さっきより具合が悪そうに見えますが…」
心配そうに話す彰弥くんの顔が視界にぼんやりと入る。
あはは、そんなことないよ。大丈夫だから心配しないで。
やっと落ち着いたんだから、二人でのんびりご飯食べて、のんびりお風呂入りに行って…その後のんびり寝よう…。
ん…?あれ?そういえば寝るって…どんなふうに寝るんだろう…?
どっちかが別の部屋に移動して寝るのかな…?それとも、二人並んで?
もしかしたら同じ布団で…ぇぇえええぇ…?
一気に頭に熱がのぼる。
熱い。身体がすごく熱い。体温が上昇してきた…。
も、もし…もしも同じ布団だったらどうしよう…!!
み、みっちゃ…密着とか無理なんですけどもー!!
頭がグラッと揺れ、それと共に身体もグラッと傾いた。
「ふぇ~…」
床に倒れるだろうと頭では分かっていたけど、身体が俊敏に動かない。
でも、私が床に身体をつけることは無かった。
「蓮華。絶対に大丈夫じゃないでしょう」
彰弥くんの少し強気な声が聞こえて、自分の肩に視線をやると…彰弥くんの手が見えた。
あぁ…支えてくれたんだ。
「ありが…ありが…とう」
頭の中がグルグルして上手く言葉が出てこない。
「はぁ…。
おんぶも抱っこも嫌でしたら、支えますから…ゆっくり歩いて部屋に戻りましょう」
その言葉と共に、優しく頭を撫でられ…涙が出そうになった。
せっかく…また二人になれたのに…彰弥くんに溜め息を吐かせてしまった。
ごめんね…彰弥くん。
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