*+.番外編 まっさらな憂鬱.+*

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「……ご、ごめんなさい…!私、そういうつもりで言ったわけじゃなくて…!」 恥ずかしい!!この場を去りたい! さっきから晋太郎さんに嫌な態度しかとってないじゃない…!! これじゃあ、勤務先のお嬢様から…勤務先の厄介なお嬢様に変換されてしまうわ。 ブルーベリー飴ボックスを持ちながら、もうどうしていいか分からないから目をギュッと瞑ってしまった。 もう!!私の馬鹿!本当に馬鹿! 絶対好感度下がったわ!って言っても、好感なんて元々あったのかも分からないけれど…。 ギュウっとキツく目を閉じ続けていると、涙が隙間から出てきた。 もう…!どうして私って、こうなの…- 「お嬢様、そんなに恐縮なさらないでください」 「…だ、だって私…今とても…馬鹿みたいな発言を…」 片手で口元を抑えて、更に沈んでしまう…。 あぁ、もう私を放っておいて…。 「なに仰ってるんですか。お嬢様のそういう少しうっかりしている所が可愛らしくて、俺は好きですよ」 ……え? 今…何て……-? 私の少しうっかりしている所が…可愛いって…。 ……好きって…-!!? 口元を抑えているから分かる。 私の頬が徐々に熱を帯びてきていることを。 ど…どうしよう。どう反応していいのか…まったく分からないわ。 心臓がバクバクって…変にうるさくて…何だか分からないけど…涙が無性に出そうになるの…。 「お嬢様?どうかなさいましたか?」 そうやって私の顔を遠慮なく覗いてくるから…更にどうしていいか分からなくなる。 この、心臓よ。少し静かにして…! 少しだけ落ち着いて…!! 私も、伝えたい。 晋太郎さんに今すごく伝えたい…! 「大丈夫ですか?具合悪そうですが…目の疲れがそんなに…」 「私も……-」 晋太郎さんの言葉を遮り、震える声で吐き出した。 「私も、晋太郎さんのそういう…優しい所、好き…-!!」 これが今の私の最大の勇気…!! どうだ…-!!    
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