*+.番外編 まっさらな憂鬱.+*

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「やらかしてしまったわ」 もう少しだけ残ろうなんて決めて、長々と残ってしまった。 図書館の出入り口で外を眺めて、溜め息が出てきてしまった。 激しい雨が降っている。 まったく気付かなかった……。 歩いてきてしまったし…傘なんて持ってきていない。 「仕方ないわ。迎えを…」 バッグの中に手を入れ、ガサガサと動かす。 「あら…?」 何回もバッグの中で手を動かしても、アレがない。 おかしいわね。 十分くらい探したけど、見つからない。 ………携帯…忘れてきてしまったわ。 …きっと頭がカッとしていて、持ってくるのも忘れてしまったのだ。 これじゃあ、迎えの車が呼べないじゃない!! 腕時計を見ると、時刻は午後7時半…。 館内は閉館になっていて、もう入れないし…入り口で雨が止むまで立ってなければいけないの…!? 「あぁ…もう。本当に嫌になっちゃうわ…」 これで雷なんか鳴ったら…本当に最悪…。 なんて思っていたら、数分後…-。 ついに雷まで鳴ってしまった。 ああ、もう!! 今日は、なんていう日なの…? とりあえず、頭を抱えてしゃがみ込んだ。 スカート履いてるけど、今のこの状況で下着が見えるとか気にしてられないわ。 というより、周りに誰もいないから全然気にならない。 とりあえず、雨止んで~…。それか先に雷が止まってくれたら、気持ち的には安心なんだけれど…。 願うように空を見た。 …止みそうにないわね。 こんな日、大嫌い。 朝から嫌なことあって、良いこと起きたと思ったら…こんなことが起きる…。 顔を伏せて、考えるのは…やっぱり晋太郎さんで。 あんな可愛くないこと、言わなければ良かったなんて…。今更なこと考えては、涙が出てきそうだ。 「しんたろう…さん…」 小さくそう名前を呼べば、いつだって…優しく笑いかけてくれた。 「なんですか?お嬢様」 ほら、こうやって…。 顔を上げると、晋太郎さんの顔が見える。 「…え…?」 -…どうして? 好き過ぎて、幻覚まで見えるようになってしまったの? 今、私の目の前に…晋太郎さんがいる。  
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